先に述べてきたように、引っ越しをする際、引っ越し前と引っ越し後の住所が別の市区町村になる場合は、転出届・転入届をそれぞれの市区町村に提出し、引っ越し前と引っ越し後の住所が同一の市区町村になる場合は、転居届を提出します。
この手続きは普通、引っ越し後に行うものです。
(転出届の手続きは引っ越し前に行っても構いません)
当たり前のことなのですが、別の住所にある住宅に移っても、住所変更しない人が多いようですよ。
基本的に、引っ越しをして、その移った場所が生活拠点となって、1年以内に移動せずにそこに住むのであれば、先に述べた手続き、つまりは住民票の異動は行わなければなりません。
ですから、しっかり忘れずにこの手続きを行いましょう。
しかし、引っ越し後ではなく、引っ越し前に住民票を異動したいと考える場合もあるかもしれません。
どんな場合が考えられるでしょうか。
その多くの場合が住宅ローンの問題です。
住宅ローンを組む際、新しい住所での住民票の提出を求められます。
現在引っ越しをしておらずそのまま元の家に住んでいても、そんなことはお構いなしです。
そんなことを言っても、まだ引っ越しをしてもいないのにおかしくない?
住んでいないんだから、と思われることでしょう。
そもそも、住民票異動の手続きは、引っ越し後14日以内となっています。
これは法律に定められているものであり、この期間以外に手続きすることになれば、これは違法行為となります。
ですが、金融機関が行う、この住宅ローンの実務と市区町村役場が行う住民票異動の手続きには、そこがズレており、どうしようもありません。
では、どうしたらいいのか、これは、実はいい方法はないのです。
こんなこと書いていいのかどうかわかりませんが、方法としては、適当にごまかすなり、新しい住所の家にあたかも住んでいるように市区町村役場に説明しなければなりません。
新しい住所の家に住んでいることを伝えれば、役場は、その新居に伺い、実際住んでいるかどうかの確認をすることは基本的にはありません。
引っ越し先の自宅を一戸一戸いちいち訪ねていくのも手間です。
役場も他に多くの業務を抱えていますから。
しかし矛盾としか思えませんね。
結論を言えば、『引っ越し前の住所変更は、違法行為ではあるが、可能である。
しかし、原則は、住所変更は引越し後に行うものであり、おすすめはできない』です。